麹のこと
麹のこと
2012年「塩麹」がトレンドとなり今やアジア中心に世界中で使用されている麹ですが、
麹の歴史は古く、紀元前から人々の食生活と関わってきました。
長い歴史を持っている麹の歴史を辿りながら見ていきましょう
味噌、醤油、みりん、お酒などの発酵によって作られる調味料、食品、飲料の起源は中国にあるといわれています。
その中でも麹は、紀元前から使われていたとされ、古くから人々の生活と深い結びつきがあったと考えられます。
麹を用いる技術は現在、日本をはじめ、韓国、インドネシアなど東アジア圏の国々に広まっています。
麹の使用の起源には諸説あり、弥生時代に米作りと同時に伝わったという説や、
古墳時代に麹を使った酒作りが行われていたという説もあります。
麹を使った酒作りに関して8世紀初め奈良時代の「播磨国風土記」に
「乾飯がぬれてカビがはえ、これで酒を造った」という記録が残っており、
日本における麹の使用の起源としてはこの説が最も有力とされています。
木灰をつかった製造方法が発見され、安定的な麹づくりが行われるようになり、
種麹づくりの基礎が築かれました。
江戸時代の庶民には夏の暑さを乗り切るために「甘酒※」を飲む習慣がありました。
栄養価が豊富で体力回復に役立つとされ、たくさんの人に親しまれていました。
当時、甘酒を売り歩く甘酒屋は夏の風物詩であり、「甘酒」は夏の季語にもなっています。
※甘酒は現代では「飲む点滴」と呼ばれます。
明治時代以前、麹は「麹衆」と呼ばれる者達が製造・販売を独占しており、麹は売っていましたが
種麹としては販売しておらず、種麹は彼ら秘蔵のものであったと考えられています。
2006年、日本醸造学会は麹菌を「われわれの先達が古来大切に育み、使ってきた貴重な財産」であるとして、
「国菌」に認定しました。さまざまなカビのなかから、昔の人は、有用なコウジカビ(麹菌)を見つけ出し、
味噌や醤油、酒などに活用しました。