ビタミンD食材 ビタミンD食材

冬に不足しがちな
ビタミンDを摂ろう!

冬に摂りたい栄養「ビタミンD」

ビタミンD食材

今回のテーマは、冬に不足しがちな栄養「ビタミンD」です。

ビタミンDは食べ物から摂取する以外にも、日光を浴びることによって体内で生成される栄養素です。ただし冬は日照時間が短く、紫外線量も少ないため、生成されるビタミンDの量が減りがちです。また、寒さから家にこもりがちになり、日光を浴びる機会がさらに少なくなります。
風が冷たいから家の中で窓越しに日光浴すればいい、と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ビタミンDを生成する紫外線のUVBは、ガラスをほとんど通過しないため、屋外での日光浴が必要です。

以下は、ビタミンDを生成するために必要な日光照射時間を示した表です。地域によって必要な時間は大きく異なりますが、夏に比べて、冬は長い時間が必要だということがわかります。紫外線量は緯度や天気に影響されるため、冬場に長時間の日光浴は難しい場合もあります。
だからこそ、冬は積極的にビタミンDを食事で摂取することが重要となります。

表:10 μgのビタミンDを生成するために必要な日光照射時間(晴天時)

  • 7月

    12月

  • 9時

    12時

    15時

    9時

    12時

    15時

  • 札幌

    14分

    8分

    24分

    904分

    139分

    4985分

  • つくば

    11分

    6分

    18分

    193分

    41分

    493分

  • 那覇

    16分

    5分

    10分

    142分

    14分

    31分

出典:国立環境研究所

丈夫な骨づくりや風邪に負けない身体に

少年が鼻をかんでいる様子

ビタミンDは骨の成長に必要不可欠な栄養素です。骨の成長=カルシウムというイメージをもつ方も多いかもしれませんが、カルシウムだけでは不十分です。カルシウム+ビタミンDを一緒に摂ることで、ビタミンDがカルシウムの吸収を助け、初めて強い骨が作られます。

ビタミンDが不足すると、子どもの場合は骨がやわらかくなりO脚になることがあります。また、大人や特に女性の場合は骨粗鬆症のリスクが高まります。

さらに、ビタミンDは免疫機能を調整する働きがあります。冬は空気が乾燥して、ウイルスが活性化する季節。そのため、風邪を予防する為にも、冬はビタミンDをしっかり摂取して、元気な身体を保ちましょう。

ビタミンDを摂取できるメニューって?

きのこと鮭、「プラス糀 糀甘酒豆乳ブレンド」を使ったスープ

ビタミンDは、きのこ類、鮭やしらす干しといった魚介類、卵などに多く含まれています。実は、人間と同様に、きのこも日光浴することでビタミンDの含有量が増えるので、外で日に当ててから調理するのがおすすめです。

ビタミンD摂取のためのおすすめのメニューは、きのこと鮭、「プラス糀 糀甘酒豆乳ブレンド」を使ったスープ。豆乳はカルシウムも摂れるので一石二鳥です。また、ビタミンDは脂溶性ビタミンなので、油と一緒に摂ると吸収が高まります。そのため、スープの仕上げにオリーブオイルを垂らすといいでしょう。

その他におすすめのメニューは、簡単で私もよく作る、きくらげと卵の炒め物です。きくらげはきのこの中でもビタミンDの含有量がトップクラスで、カルシウムも含まれる優れた食材。ごま油で炒めることで吸収力も高まります。

ビタミンDの1日あたりの摂取目安量は、12歳以上で9.0㎍とされています。(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」)。東京慈恵医科大の報告によれば、日本人の98%がビタミンD不足とされていますので、冬は特に意識して摂るようにしましょう。

次回は「カルシウム」についてご紹介しますので、お楽しみに!
私のモットーは「楽に、楽しく、安全に」。これからも日常生活に取り入れやすい情報をお届けしていきますね。

カルシウムの食事摂取基準(mg/日)

  • 性別

    男性

    女性

  • 年齢等

    推定
    平均
    必要量

    推奨量

    目安量

    耐用
    上限量

    推定
    平均
    必要量

    推奨量

    目安量

    耐用
    上限量

  • 0~5
    (月)

    200

    200

  • 6~11
    (月)

    250

    250

  • 1~2
    (歳)

    350

    450

    350

    400

  • 3~5
    (歳)

    500

    600

    450

    550

  • 6~7
    (歳)

    500

    600

    450

    550

  • 8~9
    (歳)

    550

    650

    600

    750

  • 10~11
    (歳)

    600

    700

    600

    750

  • 12~14
    (歳)

    850

    1,000

    700

    800

  • 15~17
    (歳)

    650

    800

    550

    650

  • 18~29
    (歳)

    650

    800

    2,500

    550

    650

    2,500

  • 30~49
    (歳)

    650

    750

    2,500

    550

    650

    2,500

  • 50~64
    (歳)

    600

    750

    2,500

    550

    650

    2,500

  • 65~74
    (歳)

    600

    750

    2,500

    550

    650

    2,500

  • 75以上
    (歳)

    600

    750

    2,500

    500

    600

    2,500

  • 妊婦
    (付加量)

    +0

    +0

  • 授乳婦
    (付加量)

    +0

    +0

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」より

工藤紀子先生

工藤紀子

小児科専門医・医学博士

Profile

プロフィール

順天堂大学医学部卒業、同大学大学院小児科思春期科博士課程修了。栄養と子どもの発達に関連する研究で博士号を取得。日本小児科学会認定小児科専門医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/保育園、幼稚園、小中学校の嘱託医を務める/現在2児の母。クリニックにて、年間のべ1万人の子どもを診察しながら子育て中の家族に向けて育児のアドバイスを行っている。