玄関を抜けて庭に一歩足を踏み入れたとたん、まるでタイムスリップしたような奇妙な感覚にとらわれる。何かと忙しい外の世界とはまったく異なる時間が流れる空間。四百年もの間、丹念に手入れされてきた様が感じとれる庭は、訪れる人をわけ隔てなくやんわりと包みこんでくれる。
瓢亭本館は庭に点在する四つの建物から成っている。すべてが独立した茶室、離れ座敷でどこでも静かにゆったりとした時間を過ごすことができる。「なんてぜいたくな場所なんだろう、ここまで来て本当によかった」。まだ、ひと口も食べていないのに気分は自然と高揚する。
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