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緑提灯の輪(国産食材の店)
第二回 Bistro 辻庵(神奈川県茅ケ崎市)
2013/04/12
第二回 Bistro 辻庵(神奈川県茅ケ崎市)
緑提灯の輪(国産食材の店)
2013/04/12
全国各地で緑提灯を掲げる飲食店が日に日に増えています。
国産の農林水産物をカロリーベースで50%以上使用している店で飾ることのできる緑提灯は、日本を元気にするボランタリー活動の象徴です。このコーナーでは、「糀」を使ったオリジナルメニューが楽しめる緑提灯の名店をリレー方式で紹介していきます。
第二回は、地元神奈川県産の食材にこだわりをもつ「Bistro 辻庵」に伺いました。
緑提灯についてもっと知りたい!→http://midori-chouchin.jp/
歌や小説、映画の舞台として幾度となく登場する日本の一大名所、湘南海岸までは車で5分ほど。「Bistro 辻庵」が店を構えるJR辻堂駅周辺は、東京と比べると気候はかなり穏やかだ。風向き次第で海の香りが漂ってきて南国の気配すら感じられる。
この地に5年前にオープンした洋風居酒屋。オーナーの豊吉三二さんが目指す料理は“地産地消(地域生産地域消費)の湘南キュイジーヌ”。
「20数年間飲食の仕事に携わってきて、『どんな店が必要なんだろう』ってひとつの壁にぶつかった。そこでたどり着いたのが、地域に根付いて『地元の食材を地元で消費する店』という考えてみれば当たり前のかたち。流行りに乗ってパーッと商売するのもいいけれど、細く長くやっていける店を作りたくなったんです」
国産食材を多く使用している印が「緑提灯」だけど、こちらはさらに絞って神奈川県産。同じ緑でも濃さが違います。
野菜は藤沢のにこにこ農園産。写真の「彩り野菜の塩こうじバーニャカウダ」にも採れたてのみずみずしいナバナがしっかり。アンチョビを少なめにして塩糀を足したソースは、野菜のうまみを引き出している。
そして「地鶏の塩こうじ焼き」で調理されている鶏肉は、なんと自家製! 実はこの鶏は豊吉さんが一昨年の秋に立ち上げた養鶏場<湘南ワンダーファーム>で育ったもの。
「魚類は三浦海岸の魚屋から地場のものが届く。野菜もある、豚肉もある(藤沢のみやじ豚)。そして、鶏肉は唯一県内産の三浦地鶏がなくなってしまったんです。では、自分でやってやろうと。当たって砕けろの精神で元牛舎だったところで養鶏をはじめたんです」
県の畜産技術センターなどの力を借りてスタートした湘南地鶏を商品化するプロジェクト。試行錯誤の連続だが、400羽を育てる規模になっているという。
肉や魚に塩糀を加えると、肉がやわらかくなって味はコクが出て風味豊かになる。
「ちょっと固めのお肉や青魚などに塩糀を添えると効果がよく表れますけど、使いすぎると味が濃くなりすぎるのでご注意を。うちではパンの生地に使ったてみたら、塩味とともに甘みも引き出されたのは意外でした。あと、塩糀を使うと焼き上がりが焦げやすくなるので、肉やパンなどは温度調整が必要です」とは、笑顔が似合う宮田料理長。
バーニャカウダのように、ソースや料理に塩味を付け加えたいときも、アンチョビや塩の代わりに塩糀を使うと、塩味とともに素材のまるみやうまみが出ることがあるとか。家庭で塩糀を使うときのヒントにどうぞ。