私らしく、美しく(医食同源)。
心の健やかさと食べるということ
2013/05/17
心の健やかさと食べるということ
私らしく、美しく(医食同源)。
2013/05/17
一井先生:現代人はいろいろなストレスを抱えています。心を病むこともあるでしょう。でも私の考えでは、だからといって心にばかり働きかけて治そうとしても、治すのは簡単ではないだろうなと思います。
ミヨコ:そうなんですか?
一井先生:そもそも心と体は繋がっています。体の調子を整えることで、心も良い方向に引っ張ってあげることができると思うのです。体が疲れたら風邪を引いたり、肌荒れをしたり、ニキビが出たりしませんか?
ノブエ:します。
一井先生:それは、たまたま見えるところに出たということなのだと思いますよ。顔にでたニキビなら、疲れているなとか、ストレスが溜まっているなとかいうことがわかる。でもそれが表からは見えにくい心に出ることもある。だから体の病か、心の病かと、切り離して考えることはできないのです。
ミヨコ:なるほど。でも…疲れる、ストレスがあるといって、今すぐ仕事を辞めたりすることはできないですしー。
一井先生:そう。だから、人の暮らしの中で、一番自分自身でコントロールしやすい食事に注意を払って体の調子を整えていくことをお勧めしたいのです。それは結果、心にも効果的だと思いますよ。
ミヨコ・ノブエ:なるほど。
ミヨコ:体の調子を整えるために、食事をする際に気をつけることはありますか?
一井先生:腸内には善玉菌と悪玉菌がいるということは聞いたことがあると思います。悪玉菌でよく知られているのは大腸菌でしょうか。この菌が好むのは、肉類など動物性タンパク質。一方、善玉菌が好むのは食物繊維や発酵食品です。そして、それ以外の多くの菌は、善玉菌でも悪玉菌でもない日和見菌だと言われています。この日和見菌は、体内の強い菌の味方になるので、善玉菌が活発な体内では善玉菌に、悪玉菌が活発なら悪玉菌と一緒になってしまうのです。
ノブエ:そうなんですか。
ミヨコ:悪玉菌が活発になると日和見菌が悪玉菌側に。善玉菌が活発ならその逆に……。
一井先生:そうですね。お肉を中心とした欧米型の食事よりも、日本人が昔から食してきた和食の方が体にいいと言われるのはこうした菌の働きによるところが大きいのです。それに精神的なストレスが胃に現れやすいことからもわかるように、胃腸と精神は深く関係しています。胃腸の調子を整えることは、心の調子を整えるのに決して遠回りではないことは、医学的にもわかっていることなんですよ。
ノブエ:先生の話を伺うと、食べることはおろそかにできないなぁと改めて思いますね。
ミヨコ:でも、日々忙しく暮らしていると、食べ物に気を配るのもそんなに簡単ではありません。
一井先生:そうですね。でも私は、健康に気遣うこと=生き様だと思っています。そしてそれは、何をどう食べるか=生き様だと言い換えることができるのではないでしょうか。どんな服を着るのか、どんな家に住むのか、どんな人と付き合うかと同様に、何をどんな風に食べるかは、そして結果的にどう死んでいくのかは、その人の選択だと思うのです。ワーカーホリックで“忙しいから”と食べるものに気を配らず、体の調子を壊すのもその人の選択ですし、逆に“これでないといけない”とヒステリックなまでに食べるものにこだわりすぎて、皆でおいしいものを分け合うことができないというのもその人の選択です。これはもちろん極端な例ですが、何が正しくて、何が間違っているとは、他人が一概に言えることではなく、自分の体と心に答えがあると思います。第一回でお話ししたこととつながりますが、体と心の声を聞くことができ、変化を感じ取ることのできる、たおやかな感度の高い心身を作ることが大切ですね。人間は食べ物でできているわけですから、そこのところをよく考え、自分らしく選択していきたいなぁと思いますね。
ノブエ:そうですね。
ミヨコ:日々の食事についてしっかり考えてみます。
ノブエ・ミヨコ:先生、今日はありがとうございました。
からだデザイン代表。
からだデザイン代表。
ホリスティック医学の考え方をベースに、人間本来のリズムを大切にした、簡単に始められる無理のない食生活の改善「ヒーリングフード」、筋肉のバランスと気の流れを整え、からだを整体する「セルフボディデザイン」の紹介を通じ 、楽しみながらできるホリスティックなセルフケアライフスタイルを提案する。
整体指導士/生活習慣病予防指導士/ホリスティックセルフケアコーディネーター/ヒーリングフード料理研究家/NPOホリスティック医学協会専門会員・関東運営委員/ナチュラルハイジーン普及協会会員
著書に『40代からの女を上げる整体学 生涯「美しい女性」でいるために』(アスペクト)がある。