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緑提灯の輪(国産食材の店)
第三回 伽羅(東京都北区)
2013/07/05
第三回 伽羅(東京都北区)
緑提灯の輪(国産食材の店)
2013/07/05
全国各地で緑提灯を掲げる飲食店が日に日に増えています。
国産の農林水産物をカロリーベースで50%以上使用している店で飾ることのできる緑提灯は、日本を元気にするボランタリー活動の象徴です。このコーナーでは、「糀」を使ったオリジナルメニューが楽しめる緑提灯の名店をリレー方式で紹介していきます。
第三回は、糀を使った料理が揃っている家庭料理の店「伽羅」に伺いました。
緑提灯についてもっと知りたい!→http://midori-chouchin.jp/
JR田端駅から歩いて3分。ひっそりとした路地に構える「伽羅」は、この地に根付いて18年、地域で暮らす人や働く人たちに長く太く愛されている家庭料理の店です。
「長く続けているといろいろなことがありますよ。店に来はじめたころは課長さんだった人が社長になったりしてね。時が経つのはホント早いわ」
気さくな女将さんの人柄がそのまま反映しているように店内は明るくて、カウンター上のお惣菜やところ狭しと貼られたメニューが食欲をそそります。
「モットーは、安心・安全・新鮮。緑提灯が流行るずっと前から国産の食材にこだわってました。テレビで緑提灯のこと取り上げられているの見て、『あれ、うちの店のことじゃん』と思って。お客さんには、安心して安全なものを食べてもらいたいから」
メニューは基本日替わりで、旬のものをささっと調理して出す。
「お野菜や海産物は東北でしょ。生の馬肉は熊本から、生ホルモンは大阪から直送してもらっています。材料が新鮮だと食べると元気が出るでしょ」
生の馬肉をさっそくいただくことに。馬刺しはひと切れひと切れが肉厚で(冷凍ではないので薄く切れないそうです)、歯ごたえしっかり。あばら骨まわりの中落ち、霜降りのサガリ。ともに脂が乗って絶品で、身をもって新鮮な国産食材のありがたさを知った次第です。
「母親の実家は宮城県の山奥。味噌や醤油は家で作っていたし、糀は当たり前の存在でした。冬に備えて、白菜やじゃがいもを塩糀で漬けこんでおくとかね」
食材のうまみを引き出す糀の力。メニューの中には、女将さんが幼少の頃から慣れ親しんでいた糀を使った料理がたくさんある。茨城産のれんこんと塩糀を合わせた「れんこんと塩糀キンピラ」は、れんこんの甘みが程よくて前菜にぴったり。群馬県の高原レタスと国産豚を使った「冷しゃぶサラダ」は特製の塩糀ポン酢味であっさりいただく。
「特製といっても、使い切った『生塩糀(マルコメ製)』のパッケージ内にポン酢を入れて振っただけ。これがおいしいドレッシングになるの。野菜サラダやオニオンスライスにも合うし、すごく重宝してます」
女将さんにとっては、塩糀はなくてはならない調味料。
「ビニール袋にきゅうりやかぶといっしょに塩糀を入れて振れば15分くらいで漬けものはできるし、刺身醤油にちょっと入れるだけでもお魚の甘みが出る。肉を炒めるときも最後に少しからめるだけでコクが増しますよ」
にんにくとの相性がよく、焼き肉のたれとしても使えるとか。実際に、「生ホルモンの塩糀炒め」をいただくと、香ばしいことこの上ない。糀を使ったレシピについては、女将さんに聞けばなんでも教えてくれるとのこと。通いたい店がまたひとつ増えました。