お米とキレイの関係。

お米を“軸”に心身ともに美しくなる。

2013/08/16

古くから日本人の食卓や暮らしに欠かせないお米。今回は「食」「健康」「美容」などの各分野の専門家である女性6人に、お米とそのパワーにまつわるお話を伺いました。

第四回
インナービューティープランナー 木下あおいさん

木下さんは「インナービューティープランナー」として、活動されていますが、主にどのような活動をされているか教えてください。

管理栄養士の資格をいかしつつ、主にダイエットに特化した料理教室を行っています。大切にしているのは、体の内側から美しくなる食事です。日本の伝統的な調味料、全粒粉穀物、旬の野菜などを使用した料理を提案しています。料理教室に参加してくださる方に、料理の基礎に加えて、味噌、しょうゆ、酢、糀、黒酢、みりん、甘酒など、発酵食品をうまく使った調理法をお伝えすることで、美しくダイエットしていただくのがコンセプトです。

月一回、女子会も開催しています。デトックスをテーマに、野菜と発酵食品を使った料理をつくり、参加者30人ほどでいただく会です。私は、“宝石のような料理”と言っているのですが、野菜をふんだんに使ったカラフルで美しい料理を生徒の皆さんといただくのは、とても楽しいですね。大人が“遊ぶ”というと食の場が多いですが、なかなか食べ物の質にこだわりにくいものです。また、大人になって新たな友だちやネットワークを築くのは簡単ではありませんが、“キレイになりたい”、“体の内側から整えたい”と、同じ想いを持つ女性同士はすぐに仲良くなります。こういう場を通じて、意識の高い女性が増えるといいなと思っています。

具体的には、どのような食事がダイエットに繋がると提案されているのですか?

基本は、お米とお味噌汁、そしてたっぷりの野菜ですね。ダイエットというと、いろいろな情報が氾濫しています。そのため、食事に振り回されてしまっている人をよく目にします。お米は食べないのに、甘いお菓子を食べていたり、流行の食材だけを口にして栄養が偏ってしまっていたり、ダイエットによって気持ちが不安定でいつもどこか空虚だったり……。

私はいつも“お米が基本”で“お米をよく噛むことが大切”だと考えています。お米をよく噛むことで、お米の甘さを感じることができ、消化が促進され、副交感神経も刺激されるので気持ちの安定にもつながります。しっかり噛んで食材の甘さに気が付くというのはとても大切なことです。白砂糖の甘さではなく、お米の持つ自然な甘さを知り、慣れれば、お菓子に依存することがなくなりますし、余分なものを食べなければ必ず痩せます。

まずはお米という “軸”を持つ。その上で、短期間で痩せるために、自分で意識的、戦略的に、「一週間だけ夜はお米を抜いてみよう」などと考えるなら良いと思います。でもそうした軸もなく、単にお米を食べず、結果的にお腹も気持ちも満たされずに甘いものについつい手が伸びるのでは、美しく痩せることは難しいですし、体は痩せたとしても心が不安定になってしまいます。

木下さん自身もお米をよく召し上がるのですか?

はい。私にとってお米をしっかり噛んで食べることは、ブレない自分に繋がる大切な軸であり、戻る場所ですね。たとえば肌が荒れたり、気持ちが不安定になったり、どこか疲れを感じたときは、意識的にお米をいただきます。お米をゆっくり、しっかり噛んでいただくことは、心と体を整えるという確信があります。ですからそこに立ち返ることで迷いを払拭することができるのですね。

すでに慣れ親しんだ甘いお菓子などをやめるのは難しいという声はないですか?

皆さんによくお話しするのは、何かを口にする時には、「自分を美しくするものは何か?」ひと呼吸置いて考えてみてくださいということです。これは栄養になるのか? 低カロリーの表示があるからといって、自分の体を美しくしてくれるものなのか? そうやって自分の体のために食べ物を選ぶことができれば、いかに自分がいらないものを摂取していたか気が付くこともできますし、美しくダイエットできます。辛いことはなかなか続きませんが、成果がついてくることですから「こんなに自分の体のことや、キレイになることを考えているなんて、私って女子力が高いわぁ」と、ワクワクしながら取り組んでほしいですね。そうすれば、どんどんキレイになることができますよ。実際に、私の教室に来る生徒さんは、皆さんキレイに痩せることに成功しているし、吹き出物やくすみのないキレイな肌になっています。食が体をつくり、体の中から整えることで美しさに繋がることを皆さんに実感していただいていると思います。

お米の他に、日本の伝統的な調味料や野菜を大切にしておられるのはなぜですか?

体の中から美しくなるためのカギは、腸にあります。腸環境を整えることが美しさに繋がります。腸に老廃物が溜まっていると悪玉菌が増え、有害物質が血液に乗って体中に巡ります。そうすると肌に吹き出物ができたり、くすんだりする原因になります。また免疫細胞の70%が腸でできていると言われています。腸の働きが落ちると善玉菌が働かず免疫力が落ち、体調に影響するのです。

では、腸内環境を整えるためにはどうすればいいかというと、善玉菌となる食材を摂るか、善玉菌にとってよいエサとなる食材を摂ることです。そしてその食材というのが、菌を多く含む発酵食品や、食物繊維が豊富な野菜です。この2つを意識的に食べることで腸は整いやすく、健康になる可能性が高まります。

例えば、糀菌には、炭水化物やタンパク質を分解してやわらかくしたり、甘みを増やす働きがあり、食材の栄養価を高めて、おいしくしてくれます。おいしくて、健康にも美容にも良い、こうした食品を食べることこそが体を内側から美しくすることに繋がると考えています。