緑提灯の輪(国産食材の店)

第四回 芽だか家(埼玉県さいたま市)

2013/10/10

全国各地で緑提灯を掲げる飲食店が日に日に増えています。

国産の農林水産物をカロリーベースで50%以上使用している店で飾ることのできる緑提灯は、日本を元気にするボランタリー活動の象徴です。このコーナーでは、「糀」を使ったオリジナルメニューが楽しめる緑提灯の名店をリレー方式で紹介していきます。

第四回は、ほとんどすべてのメニューで糀を使っているという旬肴『芽だか家』さんに伺いました。

緑提灯についてもっと知りたい!→http://midori-chouchin.jp/

やさしい味は人柄そのまま

首都圏で働くサラリーマンのベッドタウンとして栄えている南浦和駅周辺。今年7月には、JR南浦和駅京浜東北線ホームで、車両とホームの間に足を挟まれた女性を利用客約40人が協力して救出するという事件が起き、このニュースは「日本ならではの美談」として世界に広がりました。

この地で約20年間も続けている旬肴『芽だか家』さん。

「地元の浦和で採れる無農薬野菜や天然魚をお出しする。安心で安全な食材を少しでもおいしく食べていただけるように、こつこつやってきました」

とってもやさしそうで物腰がやわらかなご主人。和歌山県の漁師さんから新鮮な魚介類を送ってもらったり、大宮の市場に通って旬の食材を仕入れています。

「季節のものを食べてもらいたい。あとは、食材そのものの素晴らしさを知ってもらいたいというちょっとわがままな気持ちもあります」

たとえば、<みょうがの和えもの>は、あくまでみょうがが主役。

「みょうががメインの料理があまりないのが悔しくて。人気定番メニューのひとつ、<蕎麦百もろこし焼>は、蕎麦のおいしさを追求しました」

北海道産の蕎麦粉を練って、同じく北海道産のとうもろこしの実を混ぜて焼きあげる。お腹にたまる一品で、蕎麦の香ばしさをしっかり堪能できます。

いただく料理はどれも繊細でほっこりするような味つけで、人柄がそのまま味に乗り移ったようです。

糀の種類で味のバラエティを楽しむ

『芽だか家』さんでは、糀はもはや味噌や醤油、塩などと同じ必須の調味料。

「糀を加えれば食材にコクがでてまろやかな味になる。魚介類や肉を数日間じっくりと糀に漬けこむこともあれば、隠し味としてささっと使うこともあります」

『生塩糀』で2~3日間漬けた<マイカの塩糀づけ>は、甘味が増して酒のつまみに最適。シロイカなど食感がしっかりしたものには『しょうゆ糀』が合うとは、ご主人。

イカに限らず、食材に合った糀を組み合わせて提供しているとか。

「ちょっと前までは、主婦のお客さんから『糀って料理にどう使うの』と聞かれることがありましたが、近頃はめっきり減った。みなさん、糀を使うことにだいぶ慣れてきたのではないでしょうか」

そうはいっても、糀使いのプロフェッショナルの技は細かい。

<鳴門わかめ酢糀和え>は、ご主人の故郷、徳島県産のわかめがメイン。塩とポン酢のドレッシングにほんのちょっと『糀の酢』を加えることで、梅ような華やかさが醸し出されます。

また、<卯の花>は『生塩糀』だけでなく、オイスターソースを少々足すことで、ほんのりと深みのある味に仕上がります。

「さんまの酢じめは『生塩糀』でさらにうま味が引き立ちますし、マダコの洗いは『糀の酢』で華やかに。糀の魅力はお刺身を食べるときに一番わかりやすいですから、糀をいろいろと変えて試すと楽しいですよ」

旬肴 芽だか家

住所:
埼玉県さいたま市南区南浦和2-33-2
TEL:
048-881-6927
定休日:
日曜日