暮らしの中の、小さな知恵
手軽に発酵食を取り入れる3つのアイデア
2016/05/30
手軽に発酵食を取り入れる3つのアイデア
暮らしの中の、小さな知恵
2016/05/30
チーズ、アンチョビ、塩レモンに塩麹……。家にはあるけれど、いつも同じ使い方になっていませんか? 暮らし家の塩山奈央さんに、味噌や醤油のように、さまざまな発酵食を気軽に日常使いするためのヒントを教えていただきました。
「最近、ぬかの魅力に改めてはまっています……」と教えてくれたのは、発酵食の本も執筆している塩山奈央さん。基本の野菜用に加えて、肉専用、魚専用のぬか床も稼働中。
「発酵食は健康にいいというのは知っているけれど、旨味が増してとにかく美味しくなる、それが一番の愛用の理由です!」
野菜にまぶしたり、豆を漬け込んだり、肉に下味をつけたり。塩山家では塩麹は“美味しい塩“として、塩以上に活躍。「どんな食材とも相性が良くて、使いやすいし、美味しくなる。本当に万能な調味料ですよ」
塩麹、塩レモン、アンチョビなどは、つい同じような使い方ばかりしてしまいがちですが、本当は味噌や醤油、酢といった伝統の発酵調味料と同じように、気軽に日々の料理に取り入れることができる。そのヒントを、塩山さんに伺った。
いい調味料と発酵食があれば、市販のドレッシングに頼らなくてもいろいろなバリエーションの自家製ドレッシングがすぐに作れる。オイルの種類を変えるだけでも和・洋・中の味わいにアレンジ可能。基本の組み合わせから、自分好みにも応用してみよう。
[材料](作りやすい分量)
塩麹…50g(大さじ3ぐらい)
(作り方は後述)
大葉…10枚
[作り方]
1.大葉は細かめのみじん切りにして塩麹と混ぜ合わせる。
冷蔵で1ヵ月保存可能
大葉の代わりに、バジルやイタリアンパセリ、ローズマリーなど香りのあるもので応用可能。野菜はもちろん、肉とも相性がいい。
[材料](作りやすい分量)
アンチョビ…2~3枚(10g)
ニンニク(すりおろす)…少々
オリーブ油…大さじ2
白ワインビネガー…大さじ1と1/2
醤油…小さじ1
[作り方]
1. アンチョビはすりつぶすか包丁でたたいてペースト状にして、すべての材料とよく混ぜ合わせる。
冷蔵で1ヵ月保存可能
小松菜など、味に少しクセのある野菜との相性が特に良い。ジャガイモやインゲンと絡めても美味しい。少しだけ加える醤油が隠し味に。
今日の晩ごはんにも間に合う、いますぐ真似できるアイデアはこちら。使い慣れた調味料を使う感覚で、発酵食を気軽にプラスするだけで、旨味がぐんとアップ。塩麹、アンチョビ、塩辛のおすすめの使い方を塩山さんが直伝。
あと1品ほしい時に役立つのが、冷蔵庫の中の常備菜。忙しい時でも、手間なくさっと発酵食を取り入れるために、発酵食を使った常備菜を作ってみてはいかがだろう。旨味たっぷりの発酵食常備菜は、しっかり味が決まっておつまみやお弁当にも活躍!
[材料](作りやすい分量)
ジャガイモ(メークイーンがよい)…2~3個(正味200g)
塩辛…30g
サラダ油…適量
[作り方]
1.ジャガイモは千切りにして、水にさらしてざるにあげ、水気をしっかりときる。
2.フライパンに油を熱し、ジャガイモを加える。ジャガイモ全体に油がまわり、しなっとしたら塩辛を加えて全体をなじませるように火を通す。
ドレッシングとして、いつもの調味料の代わりに……。これなら、手軽に発酵食を日々の料理にも取り入れることができそう。冷蔵庫に発酵食常備菜があれば、さらに献立作りも助かるはず。ちょっと加えるだけで、旨味がアップし、身体にもいい発酵食。毎日少しずつ、無理なく取り入れて、身体の内側から健康のリズムを作ってみてほしい。
[材料](作りやすい分量)
米麹…500g
塩…150g
水…500ml~
[作り方]
1. 米麹は塊をほぐし、材料のすべてをよく混ぜ合わせる。麹が水を吸って顔を出したら、ひたひたになるぐらい水を加える。1日1回かき混ぜ、1週間~10日程でできあがり。できあがったら、冷蔵庫で保存する。
冷蔵で6ヵ月保存可能
この記事は、『暮らし上手の健康ごはん』(2015年9月発売)より抜粋し、再編集したうえで掲載しています。
暮らし家
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パタンナーを経て、料理や縫い物を通じて心地良い暮らしを提案する暮らし家に。
現在、書籍や雑誌などで活躍。『チルチンびと』(風土社)では『日々まめまめしく。』を連載。著書に『発酵食をはじめよう』(文芸春秋)など