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暮らしの中の、小さな知恵
実は頼れる保存食!手作りシロップのススメ。
2016/06/24
実は頼れる保存食!手作りシロップのススメ。
暮らしの中の、小さな知恵
2016/06/24
季節に寄り添った料理や、丁寧な暮らしぶりが人気の料理家・ワタナベマキさん。ワタナベさんのご自宅に伺うと、四季折々の果実を漬けたお酒の瓶がずらり! 自家製の梅干しや保存食を漬けた壺も、仲良く並んでいる。
「毎年6月と7月は、1年の中でも保存食作りが多い時期。梅干しを作るのも今の時期ですし、梅やプラムなど、旬の果実を使って果実酒を作っています。保存食作りは、おうちでできる“季節の仕事”。旬の美味しさを長く楽しむために、欠かせない行事ですね」
そんなワタナベさんが、梅干しや果実酒作りと同様に“季節の仕事”として大事にしているのが、シロップ作り。
「今の時期なら梅やプラム、赤じそ、秋ならブドウ、冬なら柑橘類やショウガなど、旬の素材を使って。素材の美味しさをぎゅっと引き出したシロップは、味も風味も豊かで、冷蔵庫で3ヵ月以上保存できます。梅やプラム、赤じそのシロップは、水やソーダで割って飲むと、すっきり爽やか。今の時期に仕込んでおけば、夏の間に大活躍しますよ」
ドリンクとして楽しむことが多いシロップだけど、実は使い道はいろいろ。ワタナベさんも、暮らしの中のさまざまなシーンでシロップを取り入れている。
「しっかり甘さがあるので、寒天やゼリー、かき氷にかけて、そのままシロップとして楽しめます。甘味をつける調味料として、料理に使うのもおすすめです。ただ甘いだけじゃなく、素材そのものの風味も加わるので、新鮮な味わいが広がりますよ」
今回ワタナベさんが教えてくれたのは、今が旬の赤じそを使った手作りシロップ。梅シロップのようにじっくりエキスを抽出するのではなく、鍋で煮出して作るタイプなので、誰でも簡単! 今しか作れない旬のシロップ作りに、ぜひ挑戦してみよう。
すっきりした味わいと鮮やかな色味で、これからの季節に重宝する赤じそシロップ。赤じその旬は、6月から7月。1年のうちで手に入るのは今だけなので、さっそく作ってみて!
〔材料〕(1リットル分)
赤じその葉…250g
グラニュー糖…400g
レモン…1個
※グラニュー糖の代わりに、きび砂糖や三双糖を使ってもOK。ただし、グラニュー糖に比べると、やや茶色っぽく濁った仕上がりになる。
〔作り方〕
【1】食品用アルコールスプレーを保存瓶の内側に吹きかけて、消毒する。蓋の内側も忘れずに。熱湯をかけて消毒してもよい。
【2】赤じその葉は丁寧に水で洗い、土などの汚れを落とす。
【3】ホウロウ鍋に赤じそと水5カップ(分量外)を入れて火にかけ、赤じその色が抜けるまで中火で煮出す。
【4】色が十分に抜けたら、ザルで漉す。赤じそを絞るとアクが出てしまうので、絞らずに、重みで自然に水分が落ちるのを待つ。
【5】〔4〕をホウロウ鍋に戻し、グラニュー糖を加えて、強火で5分ほど煮詰める。途中、アクが出てきたら取り除く。
【6】火を止めてレモンを絞ると、色がパッと鮮やかに!鍋のまま粗熱が取れるまで冷まし、〔1〕の保存瓶に移す。冷蔵庫で約3ヵ月間保存可能。
シロップが完成したら、どう使えばいい?ここでは、ワタナベマキさんが、手作りシロップの3つの楽しみ方を提案。毎日の暮らしに取り入れて、最後まで美味しく活用しよう。
赤じそシロップとハイビスカスティー、鮮やかなルビー色同士を掛け合わせた、見た目にも気分が上がるドリンク。清涼感のある飲み心地で、暑い時期にもゴクゴク飲める!
〔材料〕(作りやすい分量)
赤じそシロップ…適量
ハイビスカスティー…適量
氷…適量
〔作り方〕
【1】ハイビスカスティーは濃い目に煮出し、氷を入れてしっかり冷やす。
【2】グラスに氷を入れ、赤じそシロップと〔1〕のハイビスカスティーを1対1の割合で注ぎ、よくかき混ぜる。
〔楽しみ方のアドバイス〕
シンプルに水割り・ソーダ割りで楽しむほか、アイスティー、オレンジやグレープフルーツなど柑橘系の100%ジュースで割るのもおすすめ。どのドリンクで割る場合も、赤じそシロップとの割合は、1対1を目安に。
しっかり甘さのある赤じそシロップと、甘さ控えめの甘酒ゼリーは、相性抜群!つるんと涼やかな口当たりで、夏のおもてなしシーンにもぴったりの一品。
〔材料〕(2〜3人分)
赤じそシロップ…1/2カップ
甘酒…1と1/2カップ
粉寒天…4g
レモンスライス…2〜3枚
〔作り方〕
【1】ボウルに粉寒天と水1/2カップ(分量外)を入れて、溶かす。
【2】鍋に甘酒と〔1〕を入れ、弱めの中火で1分ほど煮立たせる。
【3】〔2〕を水で軽く濡らした型に注ぐ。そのまま常温で20分、冷やし固める。
【4】〔3〕が固まったら、冷蔵庫でしっかり冷やし、食べやすい大きさに切って器に盛る。赤じそシロップを等分にかけ、レモンを添えていただく。
〔楽しみ方のアドバイス〕
そのままシロップとして、冷やした寒天、かき氷にかけて。水で割った赤じそシロップを凍らせて、シャーベットにしても美味しい。レモンなどの酸味を添えると、よりさわやかで夏らしい味わいに。
〔使ったのはコチラの甘酒〕
原材料は、米、米糀、食塩のみ。米糀の分解酵素の働きで、米・米糀由来のやさしい甘さが広がる。“スーパーフード”と呼ばれるほど栄養豊富で、適度な塩分を含んでいる甘酒は、夏場の水分補給にもおすすめ。
甘酒の作り方や甘酒を使った料理レシピなどを紹介 「マルコメの甘酒」ページはこちら
蒸した鶏肉とインゲンのエスニック風サラダ。ナンプラーが香るドレッシングには、甘味として赤じそシロップをプラス。赤じその風味も加わって、クセになる美味しさに!
〔材料〕(2~3人分)
鶏むね肉…1枚(250g)
酒…80cc
インゲン…10本
塩…小さじ1/3
オリーブ油…大さじ1
[a]
赤じそシロップ…大さじ2
白ワインビネガー…大さじ1
オリーブ油…小さじ2
ナンプラー…小さじ1
香菜(ざく切り)…3本
炒りごま…小さじ2
粗挽黒こしょう…適量
〔作り方〕
【1】フライパンに鶏肉、酒、水1/2カップ(分量外)を入れ、弱火で10分ほど蒸し煮する。
【2】端を切り落としたインゲンを加えて、さらに3分ほど蒸し煮する。
【3】塩、オリーブ油を加えて、よくなじませる。粗熱が取れたら、鶏肉を食べやすい大きさに切り、インゲンとともに器に盛る。
【4】[3]に香菜、ごまを散らし、よく混ぜ合わせた[a]をかける。好みで、粗挽黒こしょうを振る。
〔楽しみ方のアドバイス〕
サラダのドレッシングを作る時、砂糖やきび砂糖の代わりに。鶏の煮物、魚の蒸し物などにも、みりん代わりの甘味料として使える。赤じそシロップはパンチがあるので、ナンプラーなど、エスニック調味料ともよく合う。
旬の素材を大切にした季節感のある料理、毎日の暮らしから生まれる保存食、乾物料理などが得意。テレビや雑誌、書籍で活躍するほか、常備菜やお弁当、朝ごはんなど、あると便利な著書多数。近著に『つまみサラダ100』(主婦と生活社)。
7月には、最新作『アジアのごはん』(主婦と生活社)が発売予定。