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日本の朝ごはん
“健康”と“発酵”をテーマに忙しい現代人を
朝から元気に! 世界基準を目指す「SATSUKI」が誇る
朝食はなぜ最強?
2017/12/28
日本の朝ごはん
2017/12/28
店内に所狭しと並ぶ約180種類のメニューの中には、発酵食材を使った物が盛りだくさん!ホテルニューオータニのカフェ&ダイニング「SATSUKI」が、2016年から“健康”と“発酵”をテーマに掲げて提供する朝食ビュッフェ「新・最強の朝食」には、忙しい現代人の朝をゴールデンタイムに変える、すばらしい食材とアイディア、そして「朝から健康になってもらえる最高の朝食を届けたい」というホテルの情熱が込められています。
この朝食ビュッフェを目当てに、ホテルニューオータニの宿泊者以外の人々も多く訪れ、訪日中の外国人ゲストや健康志向のビジネスパーソンのみならず、女性ゲストや家族連れでも連日賑わっているSATSUKI。細部にわたってこだわり抜かれた食材の数々や、料理長のメニュー開発にまつわるエピソードなどを知れば、ちょっと奮発してでも足を運ぶ価値があることがわかるはず!
お話を伺ったSATSUKIの料理長・小出裕之さんは、パリで400年の歴史を誇るフレンチレストラン「トゥールダルジャン」本店で経験を積んだベテラン。2015年、SATSUKIの料理長に就任したのと同時に「新・最強の朝食」プロジェクトに携わり、メニュー開発に力を注いできたそうです。
「ご来店いただいたお客様に健康になってもらうこと、日本の食材を海外に知ってもらうこと。その目標を達成するため、日本古来の発酵食材に注目しました。ここ数年で日本でも朝食に対する考え方が変わってきた印象がありますが、やはり海外の方のほうが朝食を重要視している傾向にあります。海外では7,000円ほどの朝食ビュッフェを提供しているホテルもあり、ラインアップや使っている食材も際立ってレベルが高く、驚きました。世界基準で考えたときに、我々の朝食メニューにはまだ改良の余地がある、もっと朝食のグレードを上げたいという思いで取り組みました」
ズラリと並ぶメニューの中には、納豆や味噌汁といった昔ながらの日本の伝統的な朝食メニューも。いずれも定番ではあるものの普段は「主役」にはならないメニューですが、「新・最強の朝食」では並大抵でないこだわりがありました。
日本が誇る発酵食の代表格、納豆に関しては原料となる豆をはじめ、蒸す時間や熟成期間、たれやパッケージに至るまで、ホテルニューオータニ独自で考案されたもの。
「納豆といえば茨城・水戸が有名ですが、栃木ですばらしい納豆づくりの職人さんに出会うことができたので、その方と一緒にオリジナルの納豆を開発しました。独特の粘りと風味で海外の方には避けられやすい納豆ですが、通常より発酵期間を短めにすることで粘りを抑え、食べやすいものに仕上げました。かなり大粒な国産大豆を使用しているので、豆本来の食感と味をしっかりと感じていただけると思います」
確かに、普段お目にかかれないほど大ぶりの納豆は、ふっくらとした食感と歯応えが味わえそう。しかし、一番驚いたのは、一見市販品のように見えるプラスチック製のパッケージです。「容器の底にあるギザギザの凹凸は、混ぜやすく納豆の適度な粘りが出やすいよう特別に作っていただきました」とのこと。あっぱれ!
また、味噌汁には、1645年に創業したカクキューの赤味噌と信州の白味噌、京都の西京味噌をブレンドした味噌を使い、アクセントに麹みりんを使用。メインとなる白米には有機コシヒカリを使い、静岡・下田の観音温泉水を使用して炊いているそうです(※)。最高級の紀州南高梅を使用した梅干しは、プレーンの物と、高麗人参、羅漢にそれぞれ漬け込んだ3種類を用意。普段、脇役的な存在であるご飯のお供にも抜かりがありません。
※ご飯はコシヒカリのほかにも、ホテルニューオータニオリジナルブレンドの八穀米「Jシリアル」やお粥も選べます。
ビュッフェには、日本の朝食メニューだけでなく、洋食も用意されています。中でもスモークサーモンは、自慢の発酵メニューのひとつです。
「山口県の燻製職人の方に、オリジナルで独自配合した調味料に漬け込んで燻製していただいています。完成までに3週間くらいかかりますが、発酵の力を借りてギリギリまで水分を多く含ませ、フレッシュなスモークサーモンに仕上げています」
発酵食以外のメニューに関しても、小出料理長の食材に対する真摯な姿勢は変わりません。人気の卵料理は7種類。無農薬玄米を食べさせた鶏の低脂質&ビタミンE豊富な鶏卵「玄米卵」を使用し、オムレツやスクランブルエッグなど多彩な調理方法で仕上げます。玄米卵のオムレツはハムやチーズ、ベジタブル、キノコ、ハーブなどの具材も選べ、バリエーション豊富!見た目は通常よりも白っぽくエレガントで、見ているだけで楽しくなってきます。
また、発酵食品の代表格といえるヨーグルトも忘れていません。さまざまなビュッフェでもよく見かけるヨーグルトコーナーですが、SATSUKIのそれはまた格別です。
「最近メニューに追加したギリシャヨーグルトは、濃厚でクリームのような風味。ヨーグルトに合わせるのは、ここでしか味わえない完熟りんごを凝縮した濃厚な果蜜がおすすめです。トッピングにはキヌアやタイガーナッツなど、スーパーフードを取り揃えています」
海外セレブや健康志向の人たちのあいだで話題のスーパーフードも押さえるなど、トレンドもしっかりと意識。酢や米麹で作った3種の発酵ドリンクとの相性も◎です。
パン好き&スイーツ好きには見逃せないペストリーコーナーには、同じくホテルニューオータニに店舗を構える「ピエール・エルメ・パリ」の特別商品、3種類のヴィエノワズリー(おもにパイ生地で作られた菓子パンの総称)が。ホテルニューオータニといえば、その世界第一号店がホテル内にオープンしたピエール・エルメ・パリのスイーツも人気ですが、この特別商品は朝食メニュー限定なので要チェックです。
正直、食材とメニューへのこだわりが多すぎて、余すことなくここに書ききれないというのが本当のところ。これに対しては小出料理長も、「メニューのそばに置いてあるポップに説明を書ききれないんです。すべて伝えられないのが惜しいほど、いろいろとこだわっています。食材180種類をうたっていますが、おそらく現在はその数を大きく超えていますね。常にアップデートしているので増える一方」と苦笑い。豊富すぎるメニューは一度では食べきれないため、リピーターも多いのだとか。現在もおいしい食材を求めて全国各地を飛び回り、生産者からの情報収集にも余念がない小出料理長。“健康”と“発酵”というテーマを追求し、「新・最強の朝食」は日々更新されています。