発酵に恋して。
私の甘酒生活―ヨガインストラクター・芥川舞子の
美と健康のベース、甘酒のある日常とは?
2018/10/11
発酵に恋して。
2018/10/11
モデルとして、1児の母として、妊娠・出産を経てもなおハリのあるスレンダーなボディと、ツヤツヤとした美肌を持つヨガインストラクターの芥川舞子(あくたがわ まいこ)さん。食を大切にしている芥川さんが、中でも日常的に取り入れているのが甘酒です。
そこで今回は、発酵食品の中でもさまざまな栄養が豊富で、「飲む点滴」といわれる昔ながらの発酵食品、甘酒の魅力についてお伺いしました。
毎朝ヨガで体を目覚めさせ、昼までレッスンを行うという芥川さんが毎日甘酒を口にするのは、おなかの中を空っぽにした状態のとき。胃に負担をかけず、すーっと栄養を摂取できるところが気に入っているといいます。
「ヨガをやっていると朝は食べないことが多いので、空きっ腹に栄養価の高い甘酒を飲むのが体に合っています。甘酒は温めて飲むイメージが強いかもしれませんが、私は夏場に飲むのが好きなので、冷凍庫の中にいつもストックしているんです。夏は暑さに負けてぐったりしてしまうことも多かったのですが、甘酒を日常的に飲んでいるおかげか、猛暑でも元気に乗り切れています」
芥川さんが甘酒を常備するようになったのは約10年前で、現在のような甘酒ブームが訪れる前。そのきっかけは、お子さんの離乳食のタイミングで始めたマクロビオティックなのだそうですが、健康であることの大切さそのものは10代から痛感していたといいます。
というのも、学業と仕事の両立を続け、多忙だった芥川さんは、19歳の時に持病のアレルギー症状が悪化し、仕事を休まざるをえなくなったといいます。その時、35年以上にわたってお母さんが実践していたヨガを自身も始め、「健康であることの次に美しさがある」ということに気付かされたのだそう。
「14歳からモデルの仕事をしていて、そのころはずっと外側だけの美しさを求めていました。どんな化粧品を使ったらいいのか、メイクアップはどうしたらいいのか、どうやったらやせるか…そんな短絡的なことでしか美というものを考えていませんでした。
でも、モデルの仕事は時間も不規則ですし、体力的にもハードなので、精神的にも、肉体的にも負担がかかります。心身ともに疲れて果ててしまった時に、見た目だけでなく内側から健康でなくてはいけないと思ったんです」
健康のために「食」を大切にしてきた芥川さんは、お子さんのためにより良い物を取り入れるべく、マクロビオティックの食事にシフトしていきました。
「マクロビオティックというと、海外のものというイメージがあると思いますが、基本は日本食なんです。日本人が当たり前にとってきた食事がすばらしいものとして、海外でブームになったんですよね。そこで大事にされているのが、発酵食とお米、そして野菜中心の食べ方をするということ。その中で、甘酒はお砂糖に代わる甘味として用いられています」
精製した砂糖を過度にとらないようにするマクロビオティックの食事法に、米を発酵させて作る甘酒は甘味料として最適。芥川さんは飲むだけでなく、料理やお菓子づくりに積極的に取り入れているそうです。
「わが家では、よく甘酒プリンを作ります。甘酒と寒天とレモン汁をミックスして固めるだけなので、とても簡単で。レモンの香りも爽やかで食べやすいんですよ。フルーツを入れるなど、アレンジもいろいろ楽しめるので、娘も小さいころからお気に入りです。後は、甘酒を入れたマフィンを焼いたりもしますね」
芥川さんのお子さんは、そのまま飲むよりも、甘酒を使用した料理を好むそうで、スイーツづくりだけでなく、スープや味噌汁の隠し味に使ったりしているといいます。
「お味噌汁に少し入れると味がマイルドになって体が温まります。しょうがをすって入れてもおいしいんですよ」
小さいころから、初詣の際に神社で振る舞われる甘酒を楽しみにしていたという芥川さん。甘酒ライフが長続きするのも、甘酒の自然な甘さが大好きだからといいます。甘い物が食べたくなったときも、甘酒を飲めば満足感が得られて健康的なダイエットにもおすすめ。
「甘い物が欲しいときに、お菓子に手を伸ばすのではなく、甘酒を取り入れれば甘い物を我慢するというストレスもなく、『あー食べちゃった』という罪の意識を感じずに済みますよね。栄養のバランスがいいので、体型を気にされている若い女性には特におすすめしたいです。昔は夏場に甘酒を探すのがたいへんでしたが、最近は甘酒ブームのおかげでスーパーに行けばいつでも売っているので、より手軽になりました」
甘酒には米麹と酒粕を原料にしている物の2種類ありますが、お子さんのいる方や妊婦さんにはアルコールフリーの米麹の甘酒が◎。芥川さんも米麹派で、市販の甘酒を選ぶ基準は、「米と米麹だけで作られていて、砂糖が添加されていないこと」。
「日本人は、日本で古くから作られている物を食べるのが最も体に合っていると思います。当たり前のことなのですが、最近ではあまり意識されていないことではないでしょうか。スーパーに行くと、野菜やフルーツ、肉、お菓子など外来の食材・食品も多く出回っていますが、自分のルーツをちゃんと理解し、自身の体や体質に合った物をとるという意味で、私は日本の発酵食をおすすめしたいです。発酵食をとると、腸内細菌を元気にしてくれたりなどメリットが多くありますから。なので、発酵食品は日本の大切な食文化ということを、子供にも受け継いでいきたいと思っています」
ヨガインストラクター
ヨガインストラクター
14歳でファッションモデルとしてデビュー。
雑誌の専属モデルを務めたのち、ヨガインストラクターに転身。
「芥川舞子ヨガスタジオ」を主宰し、一般向けのレッスンから若手インストラクターの育成を行うかたわら、ヨガイベントやセミナーの講師として多くのステージに登壇している。
1児の母。