美(うま)し国の食巡礼
リモートワークのお供や子供のおやつに。
「糀茶寮」の糀甘酒スイーツ
2022/08/18
リモートワークのお供や子供のおやつに。「糀茶寮」の糀甘酒スイーツ
美(うま)し国の食巡礼
2022/08/18
三重県多気町にある大型商業施設「VISON」は、日本の豊かな食文化を軸に、食事や宿泊、体験などの多様なコンテンツを提供しています。そんなVISON内のメインストリート・サンセバスチャン通りの一角にあるのが、米糀醸造元・魚沼醸造直営の発酵カフェ「糀茶寮 Produced by 魚沼醸造」です。
こだわりの糀甘酒を使ったスイーツやドリンクは、ノンアルコールで赤ちゃんからお年寄りまで世代を問わず楽しめる上、栄養たっぷりで腹持ちの良い万能さが魅力です。「糀茶寮のメニューを足掛かりに、発酵の魅力、そして糀甘酒の魅力を知ってもらいたい」と願う、糀茶寮で販売を担当する管理栄養士の森田紗矢香(もりたさやか)さんに、お話を伺いました。
糀茶寮を運営する魚沼醸造があるのは、日本有数の豪雪地帯であり、米どころとしても名高い新潟県魚沼市十日町。甘酒づくりに欠かせない、おいしいお米とお水の両方がそろう場所です。
まさに、「甘酒を生み出すために選ばれた」といっても過言ではないこの場所で作られているのが、糀茶寮のスイーツやドリンクのベースとして使用されている糀甘酒。その材料は、魚沼産コシヒカリと米糀、そして水の3つだけという、シンプルを極めた逸品です。
「糀甘酒は、喉越しの良い自然な甘さが特徴です。砂糖は一切使っていないので、米糀によって糖化されたお米本来の甘みだけで、すっきりと後に残らないおいしさを感じていただけると思います」
そもそも甘酒には、糀甘酒のように「米糀」で作られる物と、「酒粕」から作られる物があります。両者ともに栄養をたっぷり含んでいますが、酒粕が原料の甘酒には微量のアルコールが含まれており、お酒が苦手な方やお子さんには適していません。また、酒粕甘酒は砂糖を加えることで甘みを引き出している点も、糀甘酒との大きな違いです。「甘酒は、独特のお酒の香りが苦手で…」「甘ったるくて飲みきれない」という方は、酒粕甘酒の印象が強いのかもしれません。
「飲む点滴と呼ばれるほど栄養価の高い甘酒ですが、過去に飲んだときの印象がいまいちで敬遠していたり、体に良いと聞いてはいるけど手が出なかったりする方も少なくないと聞きます。『飲みにくいかも…』『アルコールが入っているのでは?』といった先入観を少しずつ覆せるように、手に取りやすいスイーツやドリンクにして、当店では提供しています」
糀甘酒を使ったスイーツには、どのようなものがあるのでしょうか。糀茶寮の人気メニューの一部をご紹介しましょう。
糀茶寮の看板メニューのひとつが、糀ボールです。「和」なイメージを持たれがちな糀甘酒に「洋」という新たな一面を持たせたいという思いから開発されました。雪化粧した魚沼の越後三山と、「米の花」と書く糀をイメージして作られたスイーツです。
スポンジ生地には、糀甘酒とマスカルポーネチーズが練り込まれ、中のジャムも糀甘酒を煮詰めた物を使用しています。優しい甘さで、糀を苦手と感じてしまう人でもおいしく食べられます。
半分に割ったときのふんわりとした感触と、口に入れたときのとろけるようなやわらかさも楽しく、「スフレチーズケーキのようでもあり、カステラのようでもあり…」と考えているうちにどんどん食べ進んでしまいます。
それでいて腹持ちもいいので、お子さんのおやつにもぴったりです。
糀甘酒の甘みの中にも、何かアクセントを入れることで飲みやすく、「糀甘酒にはこんな使い方もあるんだ」という糸口にしたいと考えて考案された一品。糀甘酒と同じ新潟県の上越で作られた、越後薬草の国産ショウガや国産レモンなどの植物に、80種類の薬草を中心とした原料からできた植物発酵エキスと粉末をプラスした、ジンジャーシロップを使用しています。糀甘酒の甘みの中に、越後薬草のジンジャーシロップの爽やかな刺激が飲みやすく、自然の旨みを口いっぱいに感じることができます。
世界ジェラート大使を務める柴野大造氏が監修した糀甘酒ソフトクリームのバリエーションは、「伊勢抹茶と小豆」のほか、「プレーン」「苺とローズペタル」「レモン」の4種類。
能登ミルクで作られたソフトクリームは濃厚ですが、癖のない甘さなので、小豆の甘さと抹茶の渋みが互いを邪魔せず程良く溶け合います。伊勢の肥沃な土地で育った伊勢抹茶の茶葉は、肉厚で味が濃いといわれ、香りも秀逸!和の魅力がぎゅっと詰まったソフトクリームです。
店内メニューには、ほかにも糀甘酒ラテや糀甘酒ソフトクリームをのせたコーヒーフロートなどがラインアップされています。どのメニューも彩り豊かで写真映えするので、まずは撮影してから口に運ぶ…というお客様も多いのだとか。
「糀や甘酒には、いきいきとした暮らしを助ける栄養がたくさん含まれています。私たちの役目は、スイーツやドリンクで糀や糀甘酒に親しみを持っていただき、まずは食べてみよう、飲んでみようと思っていただくこと。たくさんの方が今より健康な生活を送れるように、これからも工夫を重ね、発酵や糀が持つ力への興味の窓口、知識の糸口になれるよう、力を尽くしたいですね。皆さんの健康の拠り所として、また来たいと思っていただけるカフェを目指していきます」
糀茶寮でお土産用にも販売されている「魚沼産コシヒカリ使用 糀甘酒」を、毎日の生活に取り入れて、夏バテも冬の不調も無縁の生活を目指してみてはいかがですか?