発酵でつながる、おいしい輪!「私の発酵“推し”美食」

Vol.9 “ごはんに合う”って最強!
料理研究家・阪下千恵さんの
「みそダレの野菜肉巻き弁当」

2023/12/07

Vol.9 “ごはんに合う”って最強!料理研究家・阪下千恵さんの「みそダレの野菜肉巻き弁当」
Vol.9 “ごはんに合う”って最強!料理研究家・阪下千恵さんの「みそダレの野菜肉巻き弁当」

食にかかわるプロに、お気に入りの「推したい発酵食」を教えてもらう本連載。9回目のゲストは、料理はもちろん、掃除や整理収納など暮らしのプロとして情報発信をする阪下千恵(さかしたちえ)さんです。長野県出身の阪下さんのソウルフードは、みそ。毎日のお弁当作りに活躍する、みそ味のおかず作りのコツをうかがいました。

信州みそを基本に、
好みや気分で産地を変えて

阪下さんが生まれ育った長野県は、みその生産額日本一。阪下さんにとっても、みそはふるさとの味です。

「みそは、子どものころから慣れ親しんだ味、祖母がみそを手作りしていて、いろんな料理にみそが使われていましたね。我が家では、焼きおにぎりも醤油ではなく、みそが定番でした。当時、みそといえば米麹と大豆で作る、辛口・淡色の信州みそでしたが、大学入学を機に東京に出てきて、みその種類が多いことにびっくり。楽しくて、いろんな種類を試しました」

今でも、信州みそを中心に、さまざまな産地のみそを気分やレシピに合わせて使い分けているといいます。

「仕事でレシピを考えるときは、流通量も多い信州みそが基本です。料理に使いやすいみそだと思います。我が家のスタメンもやはり信州みそ。でも、ときには赤だしのおみそ汁が飲みたい日もあるし、白みそ独特の甘い風味が合う料理もありますね。みそを変えるだけでも、いつもの料理がちょっとスペシャルになる気がします」

ごはんが進むみそ味のおかずは
お弁当にもぴったり

こっくりしたみそ味の肉巻きは、ごはんとの相性も最高。

中学生の次女のために毎朝作るお弁当でも、みそは頼もしい味方です。
「発酵食品であるみそは、複雑な旨味や香りも魅力。コクがあって、冷めてもおいしいからお弁当の味つけに重宝しています」

お弁当のおかずに便利な、「みそダレの野菜肉巻き」のレシピを教えていただきました。

  • [材料](2人分)
    豚ロース(またはもも)薄切り肉6枚
    いんげん6〜9本
    にんじん1/3本
    薄力粉適量
    サラダ油小さじ1/2
    A
    みそ、酒、みりん各小さじ2
    しょうゆ小さじ1
    大さじ1
    かたくり粉小さじ1/4
  • [作り方]
    1.いんげんはヘタを切り落とし、豚肉の幅に合わせて2〜3等分に切る。にんじんはいんげん同様、豚肉の幅に合わせて8mm角程度のスティック状に切る。沸騰した湯で4分ほどゆで、ざるに上げてあら熱をとる。
    2.豚肉を広げ、①を肉の手前に等分にのせ、しっかりと巻く。巻き終わりを手で押さえ、全体に薄力粉を薄くまぶす。
    3.フライパンに油を中火で熱し、②の巻き終わりを下にして入れて蓋をする。途中で面を変えるように時々転がしながら、約6〜7分焼いて火を通す。
    4.③のフライパンの余分な油をふき取り、まぜ合わせたAを加えて、全体にタレを煮からめる。粗熱が取れたら半分に切る。

「合わせ調味料に水を加えるのがポイント。みそなどの調味料だけだと水分量が少なく、全体にからむ前に焦げてしまうことがあります。水で伸ばすとしっかり全体にからみます。煮からめているうちに、一緒に加えたかたくり粉のとろみも合わさり、バシッと味が決まります」

合わせ調味料に、砂糖小さじ1/2〜小さじ1を加えても甘みがプラスされて美味。余った分は冷凍可能。密封して2週間を目安に使い切ります。

「同じみそダレを鶏もも肉にもみ込んで、オーブンでこんがり焼くのもおすすめ。焼いている間は手が空くので、ほかのおかずを作ったり、キッチンから離れることもできます」

時短でもパパッとおいしい!
「液みそ」を冷蔵庫に常備

みそ汁が欠かせない阪下家で大活躍しているのが、マルコメの「液みそ」シリーズ。冷蔵庫のポケットに常備しているそうです。

「液状でサッととけるから、本当に便利。だしをとる必要もないので、気分的にはインスタントみそ汁を作るくらいの手軽さです。忙しい朝も、冷蔵庫にある野菜と肉や魚を一緒にサッと煮てみそ汁に仕立てれば、野菜もタンパク質もとれて助かります」

コンパクトなスタンドタイプで、使い切りやすいのもお気に入りのポイント。

「ごはんとみそ汁、あとはごはんに合うおかずと漬物などの副菜。和の献立は、このパターンに当てはめていけばいいから、考えなくてもいいのもありがたいところだな、と思っています。なじみがあって安心できて、食材と味つけをくりまわしていけば飽きない。これって最強ですよね。その安心感のある味わいを支えているのが、みそや醤油、塩麹などの発酵調味料。たとえば野菜の肉巻きも、みそ味、みそと塩麹の合わせダレ、醤油ベースの照り焼きと、味つけを変えるだけで雰囲気がガラッと変わります。発酵調味料を使いこなすと、勝手に献立バリエが増えていくようなお得感もありますね」

1週間のフランス旅行で
みそ汁の偉大さを再確認

寒い季節は、お弁当にもみそ汁が活躍。スープジャーに温かいみそ汁や豚汁を入れて持たせる。

阪下さんが「みそ好き」を改めて自覚したのは、5年ほど前に家族で出かけたフランス旅行だったといいます。

「スーツケースに何気なく入れておいたフリーズドライのみそ汁が、旅の救世主だったんです。たった1週間ほどの旅行だったのに、みそ汁を飲まないとなんだか落ち着かない。『みそ汁、最高だね』『ごはんとみそ汁って、私たちのソウルフードだね』って、家族みんなでみそ汁に感謝しました(笑)」

「思えば、栄養バランスを整えるときにも、何より頼りになるのはみそ汁。我が家では、野菜たっぷりの具だくさんみそ汁が定番です。ブロッコリーなどの洋風野菜も入れるし、油揚げの代わりにお弁当作りで余った卵焼きを刻んで入れることも。なんでもアリでルールなし。娘にも『うちのみそ汁ってレアだよね』って言われますが、でもこれが意外とおいしいんですよ」

阪下家では、みそ汁は具だくさんが基本。具材がシンプルなときは、かえって『今日はぜいたくだね』と言われるんだとか。

「具だくさんのみそ汁を食べていれば、なんだか安心。お弁当作りも夕食の献立作りも、どんどん省エネになっています。でも、地味だけどほっとおいしい、毎日のごはんがやっぱり作るのも食べるのも好きだな、と思うんです」

次回は、お酢に魅了された発酵料理研究家、岩間明子さんにバトンをつなぎます。どうぞお楽しみに!

阪下千恵(さかしたちえ)さん

料理研究家

阪下千恵(さかしたちえ)さん

料理研究家

阪下千恵(さかしたちえ)さん

料理研究家、家事研究科、栄養士。外食大手企業、オーガニック系食材宅配会社をへて独立。企業レシピ開発のほか、雑誌や書籍、テレビ等の幅広いメディアで活躍。子育て経験を活かした、作りやすくて栄養バランスのいいレシピが人気。『1日に必要な量の半分の野菜がとれる かんたんワンプレートごはん』など著書多数。家族間での家事のシェアをテーマに、家事研究家としても活動。クリンネスト1級、整理収納アドバイザー2級の資格も2004年、2009年生まれの2人の子の母でもある。

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