あおさがやわらかく食べごろに育ち、収穫の時期を迎えるのは冬の終わりから初春頃。ベテランの漁師が海面の様子を観察し、海に浮かぶ異物をなるべく巻き込まない日を選んで、慎重に水揚げを行います。
収穫後すぐに大きなふるいを回転させ洗われ脱水した後、加工場に運び、さらに高速脱水し、あおさをばらしていきます。ここまでの工程で、木の葉や藻などの異物を取り除いていきます。その後、手で丁寧にばらしてセイロと呼ばれる台に広げ、乾燥にかけ、さらに異物が混入されていないか入念に確認。幾度もチェックを重ねた後、ようやく箱詰めされ出荷されます。
工場に届いたあおさはラインに並べられ、手のひらサイズに粗く砕いた後、乾燥させます。温度が高すぎると表面だけが乾燥してしまうため、40〜50℃でじっくり乾燥させます。乾燥したあおさは触るとパリパリとした感触に変わります。
その後、あおさを裁断していきます。大きすぎると異物が混入するリスクが高くなり、小さすぎると食べた時の食感がよくないため、程よい大きさに裁断することが大切なポイントです。
自然の海の中で育つあおさは、異物が付着しやすい環境にあります。また異物を巻き込みやすい形状をしていることから、何がどのように付着しているか簡単にはわかりません。
そのためさまざまな機器を組み合わせ、あらゆる角度から異物を発見できるよう万全を尽くしています。現在の機械選別ラインに至る過程にも数々の試行錯誤があり、選別機の組み合わせ方や機械を動かす速度など、独自のノウハウが活かされています。
熟練の検査員数人がベルトコンベアに流れる乾燥したあおさをひとつひとつ目で見て、異物の付着がないか確認していきます。
とても集中力を要する作業なため、一気に多くのあおさを確認することはできません。確認できるのは1時間に10kg以下。大変ゆっくりしたスピードで、非常に細かいごみを取り除いていきます。ベルトコンベアは、色の異なるものを用いて、異物の見落としがないように工夫をしています。
あおさは異物を巻き込みやすい形状のため、細心の注意を払って生産しています。特にあおさの加工は人的作業が重要です。人が少しずつ目で見て異物を除去するなど非常に時間をかけて万全の体制で製品化しています。
このような加工の工程、製品の特徴を理解する一方で、私が大切にしているのは、私自身も一消費者の目線で製品を見ることです。購入した商品に何か問題があれば一瞬にして印象が悪くなると心得、スタート段階や運用するなかで気になる要素があれば、ひとつひとつクリアするように努めています。
そして、お客様に安心・安全でおいしい製品をお届けできるよう、生産者が一致団結して取り組んでいきたいと思っています。