生みそとインスタントみそ汁のカテゴリーで売上No.1（※インテージSRI調べ）の料亭の味ブランドは、業界に先駆けて発売しただし入りみそとして1982年にお客様の声から生まれました。多様化するライフスタイルやニーズに応じて、カップみそ汁やフリーズドライの即席みそ汁から、液状タイプの液みそ、チューブタイプの調味みそ、粉末みそまで、幅広いラインアップを展開しています。

今回、6作目となる「料亭の味 お徳用あおさ ミソスープ篇」は、これまでと同じくアカデミー賞で短編アニメーション賞を受賞した実績もある映像制作会社のロボットに依頼。イタリアに嫁ぐことになった娘と、昔気質で不器用な父の親子の心温まる物語です。

一人で朝食を取り、みそ汁を飲む男性は昔気質の畳職人。「前田畳店」と書かれた作業場で、畳のへりを縫っていると、ガラス戸をコンコンと叩く音が。振り返ると、そこには娘のゆりが外国人の男性と立っていました。

ゆり達と向き合って座る父。男性は身振り手振りを交えながら、イタリア語で「ゆりは運命の人です。イタリアはとてもいいところです。みんな待ってます」と一生懸命に話します。しかし、父にはさっぱりわかりません。うつむいて、顔を赤らめながら険しい表情を浮かべる父。彼は「オトーサン、ワタシハ、トテモ、ニホン……」と、たどたどしい日本語で気持ちを伝えようとしますが、父の硬い表情は変わりません。父に結婚を認めてもらえず、怒って出て行くゆり。ゆりの婚約者は悲しげな表情で丁寧におじぎをします。

空港でポストに手紙を投函するゆり。婚約者も心配そうにゆりの姿を見つめます。そこに「お父さんへ。お父さんには、わからないかもしれないけど、彼も彼の家族も、みんないい人たちです。私はイタリアのシチリア島で彼と結婚します。今まで私を育ててくれてありがとう。私はイタリアで幸せになります。勝手なことばかりする娘より」という、ゆりの声が重なります。

舞台はイタリア、シチリア島。花嫁姿のゆりが、一人でバージンロードを歩いて夫の元に向かいます。笑顔で迎える夫は何かに気づき、ハッとしますが、再び笑顔に戻ります。彼につられて、ゆりがバージンロードの先を振り返ると、スーツに身を包み、両手に大きな荷物を提げた父が顔を赤らめて立っていました。驚きのあまりアッと口を押さえるゆり。ゆりの夫は父に駆け寄り、夫の家族も歓迎します。目を潤ませたゆりと見つめ合う父。

結婚式が終わり、父はホテルのベッドに腰かけ、手にしたあおさのみそ汁をじっと見ていました。レストランで、お湯を入れてもらい、みそ汁を飲もうとしていると、近くにゆりの夫の家族がいることに気づきます。家族の人数分のみそ汁を用意し、「みそスープ……」と差し出す父。これには夫の家族も大喜び。その様子を少し離れたところから見つめ、涙をこぼすゆり。ゆりの肩に夫がそっと手を置きます。

ゆり（娘）の嫁ぎ先を海外の街のどこにしようかと悩みました。日本人があまり聞いたことのない地名ではストーリーをイメージしにくくなる。かといって有名な大都市だと情緒感が出にくい可能性があると思いました。そこで日本人が何となく聞いたことのある地名で探しました。風景も趣がありそうな場所としてヨーロッパ方面に絞り、最終的に言葉の響きが良いシチリアに決めました。日本のシーンから海、島のシーンへの場面転換がストーリー展開のポイントとなっていることが、美しい情景と相まって描かれた作品に仕上がったと思います。