どの家庭にも“我が家の味噌”の色があるものです。しかし、味噌は夏場など、温度が高い季節になると濃い色に変化してしまいます。これは「メイラード反応」と「酸化変色」によるものです。「酸化変色」は包装資材の工夫や脱酸素剤の活用など、パッケージで防ぐことができます。しかし、「メイラード反応」は、糖とアミノ酸が存在すると自然に引き起こされる反応で、味噌に限らず止めることができないとされています。
そこで“我が家の味噌”の色を守るため、マルコメは「メイラード反応」の進行を抑える成分の探索を始めました。関西大学との共同研究により、味噌エキスから、メイラード反応を阻害する物質の特定を進めています。
現在、試験管の中で反応を阻害する成分には辿り着いており、今後食品中での反応を検討していきます。
Fr. 4のゲルろ過クロマトグラフィー
メラノイジン生成に関して、
ピーク1の方が主要阻害剤であり、非常に活性が高い
ピーク1 がメイラード反応阻害物質と予想
メイラード反応は、自然に引き起こされる反応であるため、完全にくい止めるには、まだまだ長い時間がかかることが予想されます。
しかしマルコメでは、こうした基礎研究を丹念に行うことで、長い歴史のなかで“当然のこと”とされてきたことの解明に努めています。そして、さらに人々の豊かなくらしに貢献することを目指しています。
※掲載の内容は2016年12月現在のものです。