味噌の発酵のもととなる酵母。マルコメの味噌用酵母MK-47は、独自にスクリーニングした耐塩性、加圧耐性の酵母です。
1990年代後半、味噌を大量に安定的に生産するために、大型タンクを導入。おいしい製品を効率よくつくるための取り組みが始まりました。しかし、大型タンクを用いると、大きな圧力がかかり酵母が弱ってしまいます。そうした環境下であっても、発酵力が衰えず、芳醇な香りの味噌をつくるための新しい酵母が必要となりました。
そこで加重・加圧耐性のある酵母を探し出すためのスクリーニングを開始しました。
まず356点の味噌から144株の酵母を分離。そのなかから、1次スクリーニングとして、大型タンクの条件と同様の加圧下で発酵試験を行い、70株を選抜しました。
次に、2次スクリー二ングとして、小さなスケールでの仕込み試験で、発酵力の高い良好な株を選抜し、17株に絞り込みました。
3次スクリーニングでは実用化に向け、耐塩性、生育可能pH、温度帯、培養中の菌数の経時変化、発酵力を試験し、3株を選抜。
最後に残ったのがMK-47株です。マルコメは、加圧条件下でも高い発酵力を維持する優良株の育種に成功したのです。
この味噌用酵母MK-47は、現在『料亭の味』、『京懐石』、『一休さん』、『カップみそ汁』など、マルコメの主要製品に用いられています。多くのお客様に支持されている芳醇で豊かな味わいは、こうした酵母の探究により生み出されました。
※掲載の内容は2016年12月現在のものです。