米糀は日本酒、味噌、甘酒、食酢など、日本の伝統的な発酵食品の製造に
不可欠な食品素材として古くから利用されてきました。
近年、米糀および関連食品の保健機能に関する研究が進められています。
また、米糀には高
血糖を含むさまざまな代謝異常に対しても有益な作用を及ぼすことが報告されています。
塩糀は米糀に水と食塩を加えて発酵・熟成させたものです。
生の塩糀に漬
け込むことで肉や魚を使った料理がやわらかく仕上がります。
さらに、食
材の持つ旨みが引き出される効果もあるため、調味料として広く利用されています。
これまで健常成人を対象に塩糀が健康に及ぼす効果について探索的研究を
行ってきた結果、血糖値が高めの成人に適量の塩糀を摂取してもらった場
合、空腹時血糖が低下することを見出しました。
そこで、探索的研究と同
一用量の塩糀を血糖値が高めの成人に摂取してもらう無作為化二重盲検プ
ラセボ対照比較試験を実施しました。
高めの空腹時血糖(正常高値、境界域)をもつ健常成人47名を対象に、
塩糀を1日15g、12週間摂取した際の空腹時血糖への影響について試験し
ました。
生活習慣の変動が著しい方、高度のインスリン抵抗性を持つ方を除いた30
名について解析した結果、空腹時血糖の摂取前からの変化量が塩糀群で低
下、疑似塩糀群で上昇という対照的な変化が示され、塩糀が空腹時血糖を
低下させる効果を持つ可能性が確認されました。
※擬似塩糀とは、塩糀と同じ量の米を原料にした発酵していない食品です。
今回の結果で塩糀が糖尿病予備群とされる成人のリスク軽減に有用な食品
であることが示されました。
今後、当社では米糀や塩糀の血糖上昇抑制効果に関する情報を発信してい
くことで塩糀のさらなる普及に努めていきます。
※掲載の内容は2020年4月現在のものです。